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2009年01月 アーカイブ

2009年01月04日

国内の世界遺産(6)手つかずの原生林が広がる白神山地

白神山地は1993年に姫路城や屋久島などとともに世界遺産に登録されました。
青森県と秋田県にまたがって広がるブナの原生林で、世界遺産の中でも自然遺産の部類に入ります。
同様の世界遺産として前回ご紹介した屋久島は、生息している植物の多様さが世界遺産認定の理由の一つとなっています。
一方、白神山地はブナ一色です。
カツラ、ハリギリ、アサダなども見られますが、遠目からはブロッコリーのようなこんもりとした原生林が広がっているだけです。
実は、このことこそが白神山地を世界遺産に押し上げた第一の理由なのをご存知ですか?
手つかずの原生林がただ広がっている、ということは今や世界的にとても珍しいということです。
白神山地は他の世界遺産のように、にぎやかな観光地でありませんが、無骨な自然を肌で感じることができるため、多くの愛好家がいるのです。
その見所としては。

1.眼前に迫るしぶきをその肌に感じられる「暗門滝」
2.頂上からは世界遺産である白神山地の全貌が楽しめる「二ツ森」
3.遊歩道が整備され、ニッコウキスゲも楽しめる「岳岱自然観察教育林」

等がありますし、野生の動物としてクマゲラ、イヌワシ、クマタカなどの鳥類に加え、カモシカやニホンザル、ツキノワグマも生息しているんですよ。
2004年に鳥獣保護区に指定されるまでは、マタギの姿も見られたそうです。
周辺にはロッジやキャビン、キャンプ場などが整備されてきている所もでています。
世界遺産、白神山地は家族でのお出かけにもぴったりではないかと思います。

2009年01月18日

国内の世界遺産(7)知床半島とその周辺地域では大自然の壮大な食物連鎖

北海道東部、オホーツク海に面した知床半島とその周辺地域は2005年、世界遺産に登録されました。
知床が世界遺産となった決め手は食物連鎖です。
ウィキぺディアには食物連鎖の例として、陸上で生活する生物であれば、草の葉をバッタが食べる→バッタをカマキリが食べる→カマキリを小鳥が食べる→小鳥をタカが食べる…… といった生物間のつながり、 水中生物の例として海では、植物プランクトン→動物プランクトン→イワシ→イカ→アシカ→シャチ……を挙げていますが、このように、自然界で食べる側と食べられる側に着目した見方ですよね。
それでは、世界遺産としての知床半島における食物連鎖はどのようになっているかというと、

1.冬に流氷が接岸することで大量のプランクトンがもたらされる
2.サケを初めとする多くの魚介類が誕生
3.秋になるとそのサケは知床を流れる川を遡上し、ヒグマなどに食べられる
4.そしてその排泄物が土に返り、植物の栄養となる

という食物連鎖になっています。
このような食物連鎖が見られる所は世界的にも貴重なため、世界遺産に登録されたということです。
世界遺産の対象となった自然を保護するために、知床にはさまざまな制限や計画があります。
その中で観光客が直接関係しているのは、キタキツネやエゾシカへの餌付け禁止です。
可愛いからといってむやみにエサをあげてはいけないということです。
知床が世界遺産となったことで、北海道ツアーにも変化が現れているようです。
以前からの富良野や阿寒湖、旭山動物園などの観光ツアーに、知床が組み込まれることが増えているということです。
元々知床は観光業は盛んではありませんから、他の観光地に比べると物足りなく感じるかもしれませんが、先ほど説明した食物連鎖を思いながら川や海を眺めれば、また違った感慨があると思います。
世界遺産周辺には「オシンコシンの滝」「知床五湖」「夕陽台」などの名所がありますから、世界遺産と合わせて楽しむのがお勧めです。
宿の心配はしなくても、知床にはリゾートホテルがたくさんあります。
北海道全般にも言えると思いますが、バスやレンタカーでのんびりと知床を見て回ることをお勧めします。

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